タル日記その4 豊かな食卓と豊かな尻(全10回)



あれから姫の着衣を整えて起こし、猫モもようやく目を覚ましたので騒ぎは収まった。
赤魔子は「タル!なんですぐ助けなかったのよ!?」とギャーギャーうるさかったので、 朝食ができるまで戦闘不能のままでいてもらうことにした。
これでオイラも落ち着いて朝食の準備にとりかかれるってわけだ。

今朝のメニューは朝市で買った食材を使ったボスディン菜のソテーと野菜のスープだ。
姫はこれだけで十分なんだけど、猫モとオイラにはちょっと足りないからマスの塩焼きもいくつか焼くことにした。

ほんとはオイラ、朝から肉をガツガツ食べるのが好きだったんだけど、3人で同居生活をするようになってからヘルシーになっちまった。
まぁこれはこれで体にいいらしいから悪くないよな。ちなみに朝から頑張った壺にはバッテリーを与えていたわった。

朝の調理は、オイラはちょっと気合が入る。
朝食でHQ品をたくさん作れると今日の冒険がうまくいくような気がするからだ。縁起をかつぐってやつだな。
今日のメニューはソテー以外はスキルが低いから楽勝だと思ってたんだけど、あまりHQができないなぁ。
う〜ん、今日はちょっとツイてないかもしれない。いやな予感がするぜ。

朝食の支度ができ、赤魔子を姫にレイズしてもらって(姫はなぜ赤魔子が寝室で倒れているのかわからず驚いていたけど)いると、黒っちがレンタルハウスへやって来た。
赤魔子とは違い、黒っちは完全に飯狙いだ。錬金術の高額素材などに金を使い込んで苦しくなると、黒っちはウチに飯をたかりに来る。
まぁそれは昔からのことだし、大勢で食べた方が楽しいからかまわないんだけどな。

戦闘不能のまま放置されていた赤魔子はオイラに何か言いたげだったけど、寝込みを襲った事を知られるわけにもいかないので、姫に適当な言い訳をしながらバツが悪そうにメシを食べていた。
朝食をとり終えた後、各自冒険の準備に取り掛かった。
今日はスキル上げ・カギ取りを兼ねてLSのみんなでべドーへ行く予定だ。

オイラはリビングで着替えて装備を点検していたんだけど、気がつくと黒っちの姿が無い。
どうやら、ぬけぬけと女性陣に交じって寝室で一緒に着替えていたみたいだ。

あいつは邪気が無いので、着替えを見られても女の子は警戒とかしないんだよな。
とはいえ下心が全く無いわけじゃなくて、黒っちは尻が大好きだ。
特に赤魔子の尻がお気に入りで、よく赤魔子が昼寝している所に忍び込んで尻枕をしては、あとで折檻されている。
さっきも赤魔子が寝室で戦闘不能になっていたのを知った黒っちは「もっとはやく来ればよかったよ〜」と残念がっていた。
赤魔子が戦闘不能の時は、尻枕し放題タイムだからだ。後が怖いとか全然考えないんだよな、黒っちは。

「う〜ん、う〜ん…」
寝室から出てきた黒っちが何やら浮かない顔をしていた。
「今朝もマコ姐さんのお尻はふかふかで、猫っちはぷりぷりで、姫はむちむちだったんだけど、少しキュッとした感じと潤いが足りなかったから今日の運勢はイマイチっぽいよ〜」
これは黒っちが得意としている尻占いだ。
占いを得意としている黒っちがタルットカードや水晶占いなど、様々な占いを試してきた末に辿り着いた至高の占いだとかなんとか。
というか潤いが足りなかったとか、触ったのかよ尻。
でも、当たるんだよな尻占い。う〜ん、今日はちょっとツイてないかもしれないなぁ。いやな予感がするぜ。

つづく(次回:ヘクトアイズ団危機一髪