その2:「おっぱい温泉へ行こう」(全10回)


朝食をとりおえ、オイラと猫モは忍者のジョブ取得に出かけることにした。
猫モはクエストのオファーは受けているので、次はコロロカのKorroloka Leechを倒して奇妙な珊瑚を手に入れなくちゃいけない。
壷に留守番を任せて家を出ようとすると、オイラをじっと見つめる壷がなんだか「エリクサーちょうだい!」って言ってるような気がした。
こいつ好物はバッテリーじゃなかったっけ。まぁおみやげにエリクサー買ってきてやるか。

まずはテレポ屋を拾ってルテへ飛ばないとな。
街へ出てテレポ屋募集のシャウトをすると、

「あら?テレポルテでしたらお安い御用ですわ♪」

と声をかけられた。
すぐにテレポ屋が捕まるなんてツイてるなぁと思って振り返ると、なんと声の主は臼姫さんだった!しかも内藤さんも一緒だ!

思わずオイラは「うげぇっ!?」なんて失礼な声をあげてしまった。
ともかくこの人達に関わるとロクなことにならないのでテレポを断ろうかと思ったら、猫モがKorroloka Leechを倒しに行くことを2人にベラベラとしゃべってしまった。
よ、余計なことを…!

「俺様も手伝うwwwwwwwwwwタル君、大船に乗ったつもりでいてwwwwwwwwwwwww」

内藤さんは手伝う気満々で両手剣を振り回し始めた。光る歯が眩しい。
でも遭難するとわかってる船に乗りたくはない。
一方臼姫さんは

「あぁ…なんてお友達想いの内藤様…。素敵ですわ…!♪」

とこちらもすっかりノリ気だ。ま、まずい展開だ。
オイラは何とか理由をつけて手伝いを断ろうと思ったんだけど、気がつくと内藤さんと臼姫さんはオイラと猫モのパーティに勝手に入ってしまっていた。
リーダーのオイラは誘ってないぞ!?ど、どうやって入ったんだ…。

内藤さんはすごく張り切ってるし、臼姫さんもご機嫌な様子なのを見ていると、むげに断るのも何だか悪い気がしてきた。
仕方がない…まぁコロロカはモンスターのレベルは低いしいくら内藤さんでも大きなトラブルは起こさないだろう。きっと大丈夫だ。

そういえば昔ラフレシアの匂いを取るためにコロロカの温泉に行った時、Jammer Leechに絡まれて死にそうになったっけなぁ。
今戦っても油断できない相手だな。
コロロカの強敵といえばそいつくらいのもので、内藤さんがJammer Leechに手を出さないよう見張ってさえいれば問題ないはずだ。
オイラはそう判断して(後から考えると実に甘い判断だったんだけど)4人でコロロカの洞門に向かうことにした。

臼姫さんのテレポルテでアルテパ砂漠に飛び、そこからチョコボに乗ってオイラ達はコロロカの洞門へと入った。
Korroloka Leechの沸くポイントへ向かう間、とんずらで走り出そうとする内藤さんを、オイラはサポナでバッシュし続けた。
この人に勝手な行動をとらせたら大リンク発生間違い無しだ。そうはさせないぞ。

一方、発情期の猫モはヨダレを垂らしながら何度も臼姫さんに飛びかかっていたんだけど、臼姫さんは容赦なくハンマーで殴って猫モのタックルを阻止していた。
あのハンマーはレリックってやつかな?初めて見た…!すごいなぁ。

たんこぶを山ほど作りながらも飛びかかる猫モと、ハンマーで迎撃する臼姫さん。
その攻防が延々と続いてキリが無さそうなので、オイラが止めに入った。
その間、わずかな時間オイラは内藤さんから目を離した。
目を離したのはホントに短い時間だった。でも内藤さんが問題を起こすには十分だった。

「タル君wwwwwwwwwwwwwKorroloka Leech釣ってきたwwwwwwwwwwwwww」

そう言って内藤さんがデカいリーチ3匹にボコボコに殴られながら走って来た。
いや内藤さん、それJammer Leechですから!

コロロカ最強のJammer Leech3匹と、さらにリンクした通常のリーチ数匹を相手に大乱戦が始まった。
こちらのPTに寝かせ役はいないし(臼姫さんは相変わらずサポ戦レベル10でリポーズも覚えてないらしい)、
打属性耐性を持つリーチ相手では猫モも完全には力を発揮できない。
その上、内藤さんは

「タル君wwwwwwwwwwwwwwwwwこいつら金貨持ってないんだけどwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

と言いながら、通常攻撃のペースで「ぬすむ」を発動させていて、まったく敵を削ってくれない。

全滅してもおかしくない状況だったけど、オイラと内藤さんが戦闘不能になっただけで敵を片付ける事ができた。
勝因は内藤さんにガッチリ「かばう」をされた臼姫さんがプロエーテル+3をガバ飲みしながらホーリー・バニシュを乱射してくれたおかげだった。
リーチ族は弱点属性が光なので臼姫さんの神聖魔法が力を発揮してくれたんだ。

それにしても臼姫さんに傷ひとつ負わせなかった内藤さんには感心しちゃうな。ちゃんと大事にしてるんだ。
…いや、そもそも危険な目に遭わせる原因を作ったのは内藤さんなんだから感心しちゃいけないか。

さて、臼姫さんが無事だったおかげでレイズの心配も無いと思ったんだけど、どうやらそうでもないみたいだ。

「内藤様、ご無事ですか?声をお聞かせくださいませ〜」

リーチのサンドブレスで暗闇状態になっている臼姫さんが、手探りで内藤さんを探し回っていた。
戦闘不能の内藤さんは当然返事などできない。
目が見えなくなっている臼姫さんの足取りは危なっかしくて、見てられない。
MPもすっからかんみたいだし座っていて欲しいんだけど、臼姫さんは内藤さんを探すのに夢中だ。
これはもうレイズどころじゃないなぁ。臼姫さんの暗闇が解けるのを待つしかないか。

(タルくんwwwwwwwwwwすぐ戻ってきてレイズしてあげるからwwwwwwwwwwwww)

内藤さんは歯を点滅させたモールス信号でオイラにそう伝えると、ホームポイントへ帰ってしまった。
オイラをレイズするためにホームポイントに戻るなんて…いや、臼姫さんを助ける為でもあるか。
なんにせよ内藤さんなりに責任を感じてくれているのかな。

内藤さんはホームポイントをバス鉱山区に設定しているらしい。
とんずらにメリポを30ステップ注ぎ込んで常時とんずらできる内藤さんならすぐに駆けつけてくるはずだ。
どうやって30ステップもとんずらに、それもメインジョブがナイトの内藤さんが注ぎ込めるのか謎なんだけど、そういう仕様らしい。

「な、内藤様…!?いけませんわ、こんなところで…」

臼姫さんの声が聞こえたので、てっきり内藤さんがもう戻ってきたのかと思って見てみると猫モが臼姫さんを押し倒して胸を触っていた。
猫モの奴め…!邪魔者が誰もいないのでご機嫌な様子でゴロゴロ喉を鳴らしながら臼姫さんを触ってやがる。

「あぁ…内藤様…いけません…いけませんわ〜」

臼姫さんは相手が内藤さんだと勘違いしているみたいで、抵抗せずに猫モのされるがままになっていた。
いや、気づこうよ臼姫さん!内藤さんと猫モは体格とか装備とか全然違うでしょ!しかも猫モはゴロゴロ言ってるでしょ!

猫モはしばらく臼姫さんの胸を揉んでいたけれど、服の上からでは物足りないのか臼姫さんを脱がしにかかった。
するとそれまで大人しかった臼姫さんが抵抗しはじめた。

「いけませんわ内藤様…!こういう事は結婚してからすることですわ…!それにこんな場所では…」

そうだ臼姫さん。すぐに内藤さんも駆けつけて来るから、それまで頑張るんだ!

「でも私…内藤様になら喜んで身を捧げますわ…!」

ちょっと待て!今さっき言ってた事と全然違うでしょ!

すっかりその気になっている
臼姫さんを脱がせながら、猫モはシッポをギュルンギュルン振り回していた。
まずいな。あれは相当興奮している時の動きだ。胸を触るくらいじゃ済みそうもないぞ。
内藤さん、はやく来てくれ…!
内藤さんの足なら、そろそろここに着いてもおかしくないはずなんだけど…。
すると、パールからモゴモゴと何かを頬張っている声が聞こえてきた。

「タル君wwwwwwwwwwww干し肉食う?wwwwwwwwwwwwwwここの干し肉絶品wwwwwwwwwwwwwww」

どうやら内藤さんは鉱山区の宿屋で干し肉を食っているらしい。
いや、そんな場合じゃないから!アンタの彼女がピンチだから!
というか何でアンタがウチのLSのパール持ってるんだ!?
突っ込みどころはたくさんあったけど、戦闘不能では声を出すこともできない。

そうこうしている間に臼姫さんは裸にされてしまっていた。
猫モはしばらく臼姫さんの胸を触りまくっていたんだけど、やがて臼姫さんを押し倒してのしかかり、シッポを臼姫さんの股間に押し当てて腰を振りはじめた。

相手が内藤さんだと思い込んでいる臼姫さんは、猫モに身を任せて喘ぎ続けていた。
うぅ…もう見てられないよ…。

…結局猫モは臼姫さんが気を失うまで責めたてた。
満足した様子の猫モは肌をツヤツヤに輝かせながら、臼姫さんの着衣を整えてやっていた。
何やらメジャーで臼姫さんの胸のサイズを色々と計ったりしてるようだけど、猫モのヤツ普段は4以上の数を数えられないくせにサイズ測定の記憶力は抜群なんだよな。

そこに、内藤さんが干し肉を両手いっぱいに抱えながら今頃とんずらでやって来た。
やっと来たか…とりあえずレイズで起こしてもらって、それから猫モに説教だな!人様にあんな真似しちゃいけないって、きちんと叱っておかないと!

だけど、内藤さんは腕組みしながら何やら考え込んでいる様子で、なかなかオイラにレイズを唱えようとはしない。
ん?どうしたんだろう?MPが足りないのかな…?
すると内藤さんは歯を光らせながらぬけぬけとこう言い放った。

「ごめwwwwwwwwww俺様レイズ覚えてなかったwwwwwwwwwwwww」

何しに戻ってきたんだアンタは!

 


つづく (NEXT:おっぱいとカエデ